こんにちは。矢野教室長高原です。
前回でもお伝えしましたが、今年度は中学校の教科書改訂が行われ、新しい内容に変わっています。

今回は英語のお話を。
中学1年生の英語の教科書は、教育出版の「ONE WORLD」です。同じ会社のものが続けて採択されたのですが、その内容は甚だしく変わっています。

昨年までの教科書のLESSON1(1)はこのような始まりでした。

Hi, I am Ayaka. Please call me Aya.

Nice to meet you.

これだけでした。前の教科書までは中学校で初めて英語に触れるということだったので、まずは簡単なあいさつから始まっていたのですが、今年度からの新しい教科書はこうなっています。

Ayaka: Hello.

Bob: Hello.

Ayaka: I’m Ono Ayaka. Please call me Aya.

I like music. I play the piano.

Bob: Oh, Aya, you play the piano. That’s nice!

I’m Robert West. Please call me Bob.

My favorite subject is science.

Ayaka: Oh, you like science. Great!

Nice to meet you, Bob.

Bob: Nice to meet you, too, Aya.

 

文章が多く、当然単語数も多くなっています。
そもそも新教科書の前提は、「小学校で習った単語や文法は理解している」というスタンスなのです。とはいうものの、ほとんどマスターできていないまま進学しているのが現実なのですが。。。。

長い間、中学1年生の教科書は、アルファベットを学び、簡単な(つづりの短い)単語や教室内の会話でよく使われる表現などで英語へ慣れることから始まりました。それから「I am~.」や「Are you~?」といった、簡単な文法から順を追って指導していく構成で、単元ひとつ進むごとに新しい文法表現をひとつずつ学んでいました。これに対し、新しい教科書は小学校で一定の表現や単語を身につけていることが前提となっているので、初めから複数の文法表現が登場し、実質初めて英語を学ぶ生徒たちには難解に感じられる文章が並んでいます。その後は「前倒し」1年生の後半で習っていた文法はすぐに出てきて、後半になると2年生の内容が下りてきています。

1年生だけの話ではありません。教科書が変わるのは3学年すべてです。2年生・3年生も新しい内容に変わります。2年生の教科書にはこれまでの3年生の内容が、3年生の教科書には高校の内容が組み込まれています。ということは、「下りてしまった内容を学ばないまま新学年の授業は進む」というとんでもない現象が生じてしまいます。

また、これまで中学校で習う単語数は1,200語程度でしたが、この改訂では小学校で600~700語、中学校で1,600~1,800語、合わせて2,500語程度となります。単純に2倍以上です。(いやいやいやいや、小学校でそんなに覚える授業をしてきたとは思えない・・・)

このように新しい中学英語の教科書は、とにかくボリュームが増え、難易度が上がっていることがお分かりいただけるのではないかと思います。
こういった変更があったにもかかわらず、中学校の授業時間は変わりません。(中高一貫校は自由に対応しているのかも) つまり、これまで以上の詰め込みにならざるを得ず、ひとりひとりの理解を確認せずに先に進んでしまう可能性があります。

矢野中学校の年間行事予定表を見ると、前期中間テストは6/24・25となっています。どんなテストが作られるのか興味と不安がありますが、私どもとしては日々の授業からしっかりと準備をしてテストに備えます。特に1年生には最初のテスト。苦手意識を持ってしまうことのないように、良いスタートを切ってもらうべく臨みます。
また小学校の英語の授業でも、この新教科書に対応できる英語力を育てることを目標として進めてまいります。